『医療現場の行動経済学』
医学は、自然科学に近いかもしれないけれど、患者や医師が人間である以上、医療は社会学に近いのかもしれません。
ある米国の研究では、ガイドラインで推奨された医療を受けていた患者は全体の55%であったといいます。提供側のバラツキもありますし、受ける側の受容性もあります。「あらゆる情報を客観的に」と評論家は言いますが、現実的にはそうはいかないことを私たちは知っています。
そんなときの行動経済学。医療現場で起きているさまざまな問題を行動経済学的な見地から見ると、本当に面白いものです。解決できることも多いのではないでしょうか。
まずは私たちが完全に合理的な判断を行わないことを認識する必要がありますね。損失回避や、現在バイアス、社会的選好などのバイアスがあります。
また、合理的になろうとしても、限定合理性しか持ちえません。情報過剰による負荷やサンクコストバイアス、メンタルアカウンティングを行ってしまいますし、判断にもヒューリスティックスが絡んでくることを知っていると、より私たちのQOLも高まるのでは?
『医療現場の行動経済学』からの名言
現在は、日本でも減量を目的としたスポーツジムで、コミットメントをうまく利用したライザップが非常に成功しているのと同様に、生活習慣形成の行動変容には行動経済学的な考え方が有効であると考えられる。効果が期待されているのは、ナッジであり、それらをいかにこの分野の行動変容に取り組めるのか、ということを意識しながら医療従事者、患者ともに考えていくことが大切である。
今日の一言
行動経済学はそのうち義務教育になってもよいのでは?
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