High Output Management ー 出力の大きなマネージャーになるバイブル

インテル経営の秘密―世界最強企業を創ったマネジメント哲学 

「マネジメント」や「経営」「管理」と聞くと、何だか格式張っていて権力主義的な響きを持っていますが、マネージャーも一人の人間です。
人間が、他の人を部下に持ち、組織的に成果をあげるということはどういうことなのか、極めて易しく、単純化して本質だけを伝えるIntel創業者であり長年の成長をけん引したアンディー・グローブの書。
モーニングの卵料理を提供するカフェの店長といった平易な例を使いながら、マネージャーの究極の仕事とは何かを淡々と語ります。しかし、内容がシンプルであればあるほど、マネージャーに課す「徳」は厳しいものですね。
『マネージャーの仕事は、部下および影響下にある人たち全員の仕事の総和である』と言い切ります。つまり、結果が出ていないのはマネージャーの仕事が不十分だというわけです。

そもそも、この本は『HARD THINGS』のベン・ホロウィッツが大いに勧めていて読みたいというフラグは立っていたのですが、アンディー・グローブ氏の死をきっかけに思い切って手に取りました。初版が1983年といいます。クラッシックな内容かと思いきや、今でも十分に生きている、、、というより多くの人が実践しきれない本質が書かれています。生産性を高める方法論を易しく解説し、それを人の管理に置き換え、ホワイトカラー管理職という現代の肉体労働でいかに成果をたくさんあげるのか、結果を生むのか、結果を生み続ける組織とは何かを丁寧におしえてくれる名著でした。
採用面接の注意点や、人事考課でマネージャーがやるべきことなど、ウェットな(警衛所にか一般に書かれない)内容もふんだんにあります。

そこで、私には一つの疑問が湧いてきました。日本式の経営は義理や人情が優先してウェット、西洋の経営はドライで合理的という認識をしている人が多いと思いますが、私たちが普段目にする本や論文にはむしろ、「技術」や「ビジネスモデル」などといった合理的な面がピックアップされている反面、欧米系の記事には交渉術や信頼関係の構築法などウェットな内容がうまく表現されていることが多いな、と思います。例えば、『High Output Management』では、成果の出していない部下にその改善を求めたときに何が感情的・感覚的に起きるのかを示し、その対処法を教えてくれるのです。誰しも部下側として問題を指摘されたはずですが、実は①指摘を無視②否定③人の所為にする④責任を感じる⑤解決さを探す、というステップを経ていると言います。言ってもわからない部下を持つ人には朗報ですね。

いずれにしても、もっと良い経営者やマネージャーになりたいけれど、MBA的テクニックには答えがなさそうだと思っているなら、この本は読んだ方がいいです。

『High Output Management』からの名言

CEOs always act on leading indicators of good news, but only act on lagging indicators of bad news.

今日の一言
いい感じに現実を書くのは難しい。細かすぎると、本質が隠れ、ポイントを押さえ過ぎると背景が伝わらない。

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