『ブラック・スワン』がいないことは証明できない

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質 ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 

普通の世界の話をしているのか、異常な事態の話をしているのか。
この2つの世界は、まったく異なります。
リーマンショックのような「黒い白鳥」は世の中をすべて「普通の世界」、この本でいうところの「月並みの国」(mediocristan)のものとして見てしまうことから生じます。タレブさんは、黒い白鳥のような、予測もし得ないことを予測しないことを勧めています。つまり、想定外を想定するのではなく、想定外は存在することを、チャンスとしてとらえるのです。
人間は、つい理解しやすい「枠」で世界を把握しようとします。「プラトン性」と呼ばれているような、抽象化されたレッテルによってすべてを理解しようとするバイアスが働きます。しかし、人間にすべてを理解できるほど世の中は単純ではなく、社会の仕組みは混沌としています。こうした混沌とした人間社会にガウス分布というような枠を当てはめると、大きなしっぺ返しを食らうのではないかと、警鐘を鳴らします。
「私たちの直感は非線形なことには向いていない。」上に、「将来発見される科学技術がわかっていないと、将来は予測できない。でも、そんなものがわかっているならばほぼ自動的に、すぐさま私たちはその科学技術の開発を始められる。ゆえに、将来何がかわるのか私たちにはわからない。」わけですから、精緻に未来を予測するエネルギーから、思いもよらないような極端な事態に備える方がお得なのではないでしょうか。
したがって、タレブさんの投資方針は「バーベル戦略」だそうです。投資の大半を、非常に安全な資産に集中し、10~15%を非常に投機的でレバレッジの効くものに投資する方針です。中くらいのリスクって、ちょっと中途半端ということなのですね。

『ブラック・スワン』からの名言

とても稀な事象の確率は計算できない。

気づいたこと
不確実性は普遍。どの業界にも。
今日の一言
こういうのが必要とされない人ほど知った方が良い、というパラドックス系書籍

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One Response to 『ブラック・スワン』がいないことは証明できない

  1. […] 世の中は、見通しが立たないものかもしれません。技術が発達して、いろんなことが予測可能になり、コントロール可能になると、不確実な未来は不安としか感じない人もいるでしょう。 そんな時に、役に立つのが「反脆弱性」という考え方、というより目指す姿でしょうか。 私たちは、世の中の変化や、意外性に対して、硬直的な対応をしてしまいがちです。つまり安定を前提に、最適化したシステムを作り上げてしまいます。このようなシステムは、大きな変化が起きたときの損失が大きく、「脆弱」なシステムです。そういうシステムは脆弱だと気づき、変化に強いシステムを作るかもしれません。そういうシステムは「頑健」だと言われます。ところが、変化が大きければ大きいほど、メリットを受けるシステムもあります。そういうのを「反脆弱」だとナシーム・タレブさんは言うのです。過去に同じようなことがなかったからと言って、将来起きないとは限らないということを、私たちは大震災でしりました。かつてない津波。過去に事故を起こしていない原発の事故。そういう事象は『ブラック・スワン』にも書かれています。 そういう過去から導けない未来がきっと来ます。 そして、そういう未来を創った方が楽しいと思います。 ちょっと長いけど、名言の多い一冊です。 『反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』からの名言 […]

『反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』 | イノベーションの本棚 へ返信する コメントをキャンセル

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