『人間はどこまで家畜か』
犬や猫、その他の家畜はもともと野生の生き物でした。それが、進化するとともに人間に馴れ、危害を及ぼすことがなくなった代わりに、動物としての特徴は失っています。人間に育てられ、洋服を着たり、生存とは関係のない事柄ばかりで「生きて」います。
人間も同様に「家畜化」している。
人間も、「社会」や「世間」「ルール」という人間たちによって家畜化され、本来の“血潮”が流れなくなっているのではないかと、精神科医の熊代さんは書きます。こうした自らがつくり出した人工的な仕組みが、生きづらさをも持ち合わせているという点の危機感はまったくその通りだと思います。
単に人工的な環境に限らず、私たちのセロトニンや顔つきにも変化が及んでいるのは見逃せませんね。
本書は、こうした生理的な変化も含め、副題にあるような「現代人の精神構造」を紐解いてくれます。「最近の若者は…」という愚痴が繰り返されている理由がここに見て取れますね。
『人間はどこまで家畜か』からの名言
文化や環境が、この快適で安全で長寿で効率的な社会を成り立たせているのは確かです。ですがそれに伴って、私たちひとりひとりも他人を不快にさせるようにあるべきで、安全であるべきで、長寿であるべきで、効率的であるべきであると、社会のほうから要請されていないでしょうか。
今日の一言
昔先輩が、いつしか牙が抜かれていた、と言っていた。
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