『Eat Sleep Innovate』

「食う寝る遊ぶ」ってバブルなキャッチコピー覚えてますか?生まれてない人、ごめんなさい。

そのぐらい、当たり前にイノベーションを起こすための参考書をInnosightのマネージングパートナーであるスコット・アンソニーが書きました。Innosightは『イノベーションのジレンマ』で有名なクレイトン・クリステンセンが設立したコンサルティング会社です。

イノベーションに関する本の多くは、2つのジャンルに分けられると思っています。1つは、どうやって優れた事業アイデアを見つけ出し、立ち上げるのか?という事業系です。もう一つはどうやったら組織をアップデートしてイノベーティブでいられるのか?という組織変革系です。

組織変革系の本の多くは、既存事業とは異なるアイデアを出し、実行することを啓蒙していることが多いんですが、このEat Sleep Innovateは、啓蒙に留まりません。一度掲げたイノベーションへの取り組みが日常になるまでの、仕組みや仕掛けを具体的な事例とともに紹介しています。

このイノベーションを日常化するための仕掛けを本書ではBEANと呼び、行動科学的なアプローチを含んだ実践的な内容となっています。BEANはBehaivor Enabler(行動イネーブラー), Artifact(象徴物)、Nudge(ナッジ)の頭文字から取られた言葉で、新しい行動様式?を実行しやすく、目立たせ、実行を促すようなものになります。会社を新しい方向に導きたいなら、掛け声やパワーポイントのように揮発するものではなく、具体的な効果を持つ目に見えるものへと落とし込むことが推奨されています。

BEANの出来栄えがとりもなおさずイノベーション組織への変革が成功可否を決めるわけですが、Simplicity, Practicality, Reinforcement, Organizational Consistency, Uniqueness, Trackability という7点のチェックリストも納得です。

BEAN以外にも、社内で新規事業を起こし、組織を変革していくための様々な注意点や事例が掲載されていて面白い本です。特に「これ以上新プロジェクトを実行する余力がない」と嘆く方には「社内プロジェクトの半数は安全に殺すことができる」と後押しし、6つのカギを提示していたり、掛け声だけで終わらないイノベーションプロパガンダを止める方法などはリアルに面白いですね。ちなみに、社内プロジェクトの殺し方は:

  1. 事前に撤退基準を決める
  2. 外部の視点を加える
  3. 学んだ点を再利用できるようドキュメント化する
  4. 成功を祝う
  5. 広く発信する
  6. 閉じる決定を行う
『Eat Sleep Innovate』からの名言
Transformation happens only if technologists and businesspeople change what they do. 技術者とビジネスマンが行動を変えたときにしかトランスフォーメーションは起きない。
今日の一言 組織変革にも科学的手法が今後増える
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