『経営企画部が日本企業をダメにする』
強烈に辛口な営業トークというのは、これほど面白いもんなんですね。
自分も著者の中村さんと同業ですが、売られてしまいました。ホンネが多い本だと感じました。
中村事業企画というコンサル会社を立ち上げた著者は、日本にしかない「経営企画部」は新たな事業を「企画」する上では機能しない、と主張します。
経営企画部は、小役人(言っているのは私ではありません)として、新たなことを企てるのは不得手だとはっきり言います。
経営企画部に限らず、大手企業の中枢にいたり、出世する方は主に既存事業を効率よく回すことが得意ですから、まったく異論はありませんが、ここまではっきりと、極端な言葉づかいで書かれると読んでいる私まで、ヒヤヒヤな気持ちにすらなってきます。
言い方はキツイですが、全然ズレてはいないですね。かなり共感できますし、同じく事業開発を深くやってきた人間として、尊敬できる本気の内容です。
例えば、
『事業企画は単なる業務ではない。人々の運命を乗せているという点からみれば、神事にも近い重大な決断を要するのである。』
『事業開発の世界では、どんなに事務がうまくてもあまり意味はない。ビジネスに対する責任感、情熱、センス、そしてあまり意識されていないが、商売には不可欠な誠意、道徳、人望が求められる。』
とはっきりとその思いを書いてくれます。
一方で、
『実は、大企業の恐ろしさは特定のビジョンや信念がないにもかかわらず、機械的に市場を攻撃できることにある。中小企業の社長は個人的な思い入れや人間の濃さで勝負しているから、協業する大企業の側が意志薄弱であることを望むものだ。』
と、大企業はさしたる思いがなくてもパワープレイが効く、とも書いています。これもまた正しいものですし、大企業が勝てる道筋でもあります。
解決策は、そこはコンサルタントらしく、企業秘密を隠しつつ上手に書いていますね。この辺も勉強になります。φ(..)メモメモ
最後には今後の経営者に二つの資質が求められると締めくくっています。
・ 決定できる人
・ 商売上手
同意です。激しく同意。
全般的にコンサルタントや事業開発に携わる人にはおススメです。万人向けではないと申し上げておきましょう。
『経営企画部が日本企業をダメにする』からの名言
「新しいビジネス」を、もし仮にあなたがやらなければ、他の誰かがどうせやる。
気づいたこと
経営企画部って日本独自の組織
今日の一言
経営企画部って何を企画しているんだろう?
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