『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』

経済学と経営学の違いはご存知ですか?
本書は経営学の名著クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』で問題提起された事柄を経済学的な見地から検証したものです。
私はクリステンセン関連ということで読みましたが、20年前の名著を今、検証する必然性はどこにあるのか、疑問を持ってしまいました。
経済政策の立案に関わっている経済学者に「破壊的技術」や「イノベーションのジレンマ」について理解してもらう必要があったのではないかと、勘ぐってしまいます。ネタバレをすると、クリステンセンの仮説はマクロレベルでも検証されるので、新たな情報が得られるような本ではありません。

ですが、一つ面白い点は冒頭で書いた「経済学と経営学の違い」というのが浮き彫りになった点です。
数字でイノベーションを検証し、タラレバをシミュレーションしているのは手法として面白いと思います。

この問いに対する自分なりの答えは、経営学は経営者に役立つ理論、経済学は経済政策立案者に役立つ理論、というものです。
クリステンセンの本を読んでも、経営者や起業家でもない限り活用する場面はあまりありません。経済政策に繋げるのも飛躍があります。例えば、ジレンマを信じれば大企業は一切優遇せずベンチャー支援を行うのが一番ということになります。
しかし、経済学的な裏付けのできた今、定量的な観点からもどれだけの税金をベンチャー支援に使い、どれだけの税金を大企業に使うべきか分かります。

ぜひ活用してもらいたいものです。

『「イノベーターのジレンマ」の経済的解明』からの名言

ちなみに「垂直統合」と「分業特化」、どちらのジャンルにおいても、90年代以降の日本の半導体メーカーは流れを主導することも、新潮流に対応することも、出来なかった(ほぼ唯一の例外は東芝のメモリ事業)。

今日の一言
学者とは学ぶ者。対象や目的はいらない。

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