『ティール組織』
流行っているというので、読んでみたら思いがけずツボにはまりました。
組織というのは役割があってこそ存在できるので、一般の組織論は機能しないのですが、『ティール』というのは組織の意義が高まるにつれて、形態も進化するというもの。ビジネス本によくある組織論は(1)数値目標を達成するためにどうあるべきか?(2)社員が生き生きと働くために組織はどうあるべきか?、という2者択一を迫っているなか、一味違った第三の道を描いています。
それは、(1)という達成型な組織、(2)という多元型組織を経て、より高度なパラダイムを持つものだという考え方です。
まさにINDEE !そしてINDEEが目指している世界観ではないだろうか。
ほとんどの日本企業はいまだに「順応型」にあるなか、『ティール』が売れている理由はよくわかりませんが、これから本気で経営に関わる人は一度は読んでおいた方がよいと感じました。
理由は、
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- 組織は進化するものだというモデルを明確に示している
- 一見対立する考え方は「反動」としての成長だという解釈を示している
- 成長するためには多くのステークホルダーの理解が必要性が示されている
ティール組織という最高レベル組織になると、「数値目標がない」「明確な権力構造がない」「自主的に運営されている」「働く意義が高い」など、美しいことばかりです。こんなことが可能なのでしょうか?
著者らは、実際にティール型とみられる企業を調査し、どのように運営されているかを紹介します。そして、見つけた共通点には以下のようなものがありました。
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- 自主経営
- 全体性
- 人間関係の構築と対立
- 存在目的
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結構役に立つのが、「自主経営に関する3つの慣行」。つまり、明確な権力構造がないときにどのようにして問題解決をしたり、意思決定をするかという課題です。本で紹介されているのは、「助言プロセス」「紛争解決メカニズム」「同僚間の話し合いに基づく評価と給与決定プロセス」。
ティール組織についての本質は前半3分の1を読めばよくわかり、ちょっと長いな〜と思いながら読み続けると、最後にきて最重要項目が来るではありませんか。
それは、ティール組織へと変革するための必要条件。しかも2つしかありません。
1. 経営トップがティール組織の世界観を養い、精神的な発達を遂げていなければならない。
2. 組織のオーナー(取締役会や株主)も、ティール組織の世界観を理解し、受け入れていないといけない。
「一人のミドル・マネジャーが、自分の担当部署でティール組織的な慣行を導入するのは可能でしょうか?」。このような質問をされると、できれば可能だと言いたいのだが、「無駄な努力はやめたほうがよいですよ」と答えるようにしている。
読むと痛いところを突かれるかもしれないので、読むなら覚悟を持って読んだ方がいいかもしれません。
『ティール組織』からの名言
進化型の視点から見ると、正しい問いは「どうすれば全員が同等の権力を握れるか?」ではない。「どうすれば全員が強くなれるか?」なのだ。進化型組織では、権力の獲得を、だれかが持つと他の人の分が減る、という「ゼロサム・ゲーム」とは見ていない。全員がお互いにつながっていることを認め合い、あなたが強くなれば私も強くなれる、と考えているのだ。
今日の一言
この組織に憧れても幸せは逆に遠のく。行動あるのみ。
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