『21世紀の資本』はなぜ流行っているのか?

21世紀の資本
やっと読み終わり、やっとレビューを書いてみる気になったのでついにピケティの『21世紀の資本』をレビューしたいと思います。
年末年始の課題図書にしたものの、表現が回りくどく、内容は特に新しくなく、ただでさえ読み進めるのが大変なのに、重いからカバンに入れておくのは面倒で、ずいぶんと時間がかかってしまいました。レビューを書くのも整理に時間がかかってしまいました。
大流行の旬は過ぎてしまった感がありますが、2つの視点でまとめてみたいと思います。

・ 5000円もする超難解な経済本がなぜここまで売れるのか??
・ 21世紀の資本は20世紀の資本と何が違うのか?

5000円もする超難解な経済本がなぜここまで売れるのか??
まずは、なぜ世界的に流行ったのか、という点です。これはひとえに、「やっぱり格差って広がってるんだ」という共感ではないでしょうか。一般に、経済学者はセレブです。貧民は国の経済政策を分析させてもらうことができません。きちんとした教育を受けて、有名な大学で研究を重ねて初めて大きなことを調べたり分析させてもらえるのです。格差によってどちらかというと恩恵を受けている人たちが多いセレブが、「先進国で格差が広がっている。これを是正するべきだ。」と叫べば、これは注目されます。経済政策を考えている政府関係者や経済学者など一部のインテリ・セレブ以外に興味を引く内容になっています。つまり、マーケットが大きい。
つぎに、注目すべきは数式が r>g 以外にほぼ登場しないことでしょうか。経済学には、一般にややこしい数式が付きまといます。それは気まぐれな数億人の人たちがどのように働き、お金を使うのかを考えようとすると、数学的なモデルにしないと大変だからです。表現はフランス人らしく?回りくどいにもかかわらず、数学モデルをほとんど使っていないので、これでもまだ読みやすい部類の経済書なのでしょう。
日本人にはピンとこないかもしれませんが、アングロサクソン国家(米英)を特別視して、極端に格差が拡大しているというレイシストな一面も刺激的なのでしょう。

 21世紀の資本は20世紀の資本と何が違うのか?
タイトルは今後の85年を示唆するようなものですが、ほとんどそういう話が登場しません(笑)。資本主義の性質上、「資本を持っている人は強い」主義ですので、格差は広がり続けるのでしょう。税金で何とかしてほしい、ということをピケティさんは書いてますが、政府が連携しないと、タックスヘイブンにすべての富が集まるだけだとも書いています。絶対的な主君から、民衆に権力が渡った民主主義と同時に発展した「資本主義」は、どんな個人にも私的財産の保有を認める思想です。それは財産に大きな意味があるからです。昔から、小作よりも地主の方が豊かでした。持っている土地が働いてくれるのです。『金持ち父さん』を思い出します。戦争で巨大な資本が失われた20世紀が異常、という見方が個人的にはもっとも残りました。
政府関係者や政治家は読んだ方が良い本ですね。内容をもう少し知りたい方は、訳者によるFAQがとても便利です。

『21世紀の資本』からの名言

重要なのは、格差の大きさそのものではなく、格差が正当化されるかということなのだ。この点は強く主張しておきたい。だからこそ格差構造の分析は欠かせない。

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気づいたこと
どのくらいの格差が適切なのだろう?この問いを先に立てるべきだ。
今日の一言
マーケットを作ったという意味では『21世紀の資本』型商法というのは続きそう。

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