富士フイルムの改革 『魂の経営』

車が売れなくなった自動車メーカーはどうなるのか。
鉄が売れなくなった鉄鋼メーカーはどうすればいいのか。
我々は、まさにそうした事態-、本業消失の危機に直面していた。

という書き出しからして、相当ダイナミックな言葉を選んでいる。タイトルも力強い。

この本は2部構成になっています。
前半は富士フイルムがどのように、事業を変革したかを会社を主体として記述されています。
後半は古森さんが普段からどういうマインドで経営をしているかという思いや信念を伝えてくれます。

前半は非常にシンプルです。
考えて、決める。アナログの事業がなくなるなら新規を大きくやる。
しかもその新規を細かく新規市場と新規技術に分類し、既存技術と既存市場を加えた4象限を洗い出し、きちんと決めることをしています。
現実をきちんと逃げずに見ることができれば、戦略はシンプルだというのが古森さんのイズムでしょうか。
「勇気」という言葉、「勝つ」という言葉が何度もでてきます。つまり、現実を見つめる勇気、勝つために一歩踏み出す勇気。決断から逃げても他の会社がやるだけだと断じるのはさすがです。

後半は生い立ちも含め、独自の経営論を展開します。
例えば、「マッスル・インテリジェンス」、あるいは「ナンバーツーまでの勝負は竹刀、トップの勝負は真剣」、そして「ビジネス五体論」。「ビジネス五体論」とは以下の8つの人間力の総和が仕事の成果に反映されるという著者の持論:

  1. 目や耳、鼻、皮膚、第六感 - 事実をつかむ  本質をつかむ
  2. 頭(脳) - エッジを見抜き、勝てる戦略・戦術を立てる
  3. 胸、ハート - 人に関心を払い、相手を思いやり、共感を得る
  4. 腹 - 勇気を持って決断し、一歩を踏み出す  断固やり抜く
  5. 足腰 - 行動力を発揮し、テンポを上げてスピーディーに動く
  6. 腕、手 - 技術・スキルを磨き、必要なときは強引にでもやり抜く
  7. 口 - 自分の考えをしっかり表現し、コミュニケートする
  8. 顔、姿勢 - 人間としての器を広げ、人格を磨く

ビジネスの研究には前半が、経営者としての心持を学ぶなら後半がおススメですね。

『魂の経営』からの名言

答えはシンプルだ。自分たちがやらなければ、いずれ他社がやる。ならば、やるしかない。

気づいたこと
本質はシンプルなのだ。
今日の一言
本質をやり切ることは勇気を試されるが、勝てる。

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