『CRISPR (クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見』

  
遺伝子を「編集」できる画期的な技術が生まれたと言います。
これからの人類にとって、相当大きな影響を持つ技術になることは間違いありません。
生物をソフトウェアのようにプログラムすることができるというのですから。

本書はこの技術を発明したジェニファー・ダウドナが、前半は研究の経緯と、中盤はこの技術の可能性、後半は今抱いている危惧を記しています。
どんな良い道具も悪意を持って使えば、人を殺し得るわけで、有効かつ万能な遺伝子編集ツールが出来てしまったことは、ある意味破滅に近づいているとも言えます。人類が原子力を手に入れたのと同じだというアナロジーがされていますが、一瞬で影響が目に見えるようなものではないことで、人間は思い上がりやすいのではないかと思われます。さまざまな倫理的問題をはらんだCRISPR-cas9という技術が、私たちの何を変え、私たちの未来をどう変え得るのか見つめる必要があります。

筆者のダウドナが書いているように、何かが可能だからといって、そのことを行使する必要はないのです。
『クリスパー』からの名言

ヒト生殖細胞系をただ編集できるからといって、編集すべき理由になるだろうか?

今日の一言
翻訳の櫻井祐子さんって何者?

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