古川さんが『伝えたかったこと』
日本にはベンチャーが育ちにくい、イノベーティブな人たちは少ないと言われることがあるかもしれませんが、ここにいます。
古川享さんです。
パソコンの黎明期にアスキーやマイクロソフトの成長に大きく貢献した古川さんが何を考え、何を作ってきたのかを一人称で疑似体験することができる一冊です。
生まれて初めて触れたApple II というパソコンにハマり、NECの9800で遊びまくった私としては懐かしいお話だらけ。ダービースタリオン、ウィザードリーなどの固有名詞もノスタルジアたっぷりなんですが、古川さんが本当に日本のパソコン業界の中心にいたんだなぁとしみじみしながらも、一気に読めてしまいます。
ですが、この本で「伝えたかったこと」は決してそのような商品名の羅列なんかではなく、「やりたいならやる」、「面白いと思う気持ちが大事」「メインストリームでない人が変化を起こす」「ゼロから新しいものを生み出す」というイノベーターマインドなのではないでしょうか。そんなエピソードをいくつかご紹介すると:
- アスキー社には文化として「20%ルール」、ただし仕事が20%!というものがあった
- いまアジャイルとかって言われているエンジニアと営業がペアでマーケティングとプロデュースをしてた
- NECの98という名機を作ったのはコンピューター部門ではなく、電子デバイス部門
- マイクロソフト本社に日本から提案・交渉に行くのはエンジニア本人
『イノベーションのジレンマ』も『リーン・スタートアップ』もある前からやってたんですよね。
ピュアなイノベーターの物語をぜひ楽しんでください!
『 僕が使えたかったこと』からの名言
面白いことに、どこのメーカーでもパソコンを作っていたのは、コンピュータのメインストリームの人たちではなかった。
今日の一言
イノベーションは青春だなぁ
テクニック | |
---|---|
マインド | |
革新度 | |
Art of Learning『習得への情熱』
『「無知」の技法』
[…] 5位『僕が使えたかったこと』 懐かしさもあるけれど、昔日本が元気あった頃のチャレンジストーリーは元気を与えてくれました。 […]