『現代語訳 学問のすすめ』

なぜ、名著と呼ばれる本は時代を超えるのか?
こういう本を読まされると、本当に考えさせられます。
読まされた、というのは決して嫌々読んだわけではなく、古いエッセイなのにぐいぐい引き込まれたからです。150年経っても真実であり続ける慧眼を福沢諭吉が持っていたことになりますね。必ずお勧めしたい一冊です。

タイトルは『学問のすすめ』。
つまり、なぜ人は学ぶ必要があるのか?
学ぶとは何か?
学ばないとどうなるのか?
学ぶと何が得られるのか?
人生を学びと言い換えても良いほど、示唆深く、学校や大学などのいわゆる勉強や教育と関係なく、私達に語り掛けます。

福沢諭吉が『学問のすゝめ』を書いた当時、日本は鎖国を解き、欧米の列強の前に国の存続の危機にありました。何百年も続いた藩も、何前年も続いた天皇制も、文明と武力と経済力で優る欧米諸国に晒され、滅亡の危険が迫っていたのです。そんな、危機が迫る中、国民全体が学び、自ら知の力で立ち向かおうと鼓舞しているのです。日本という島国の特徴をとらえると、このような危機は数百年毎に現れるのかもしれませんが、現代と同じです。だから、今も私たちは学ばないといけないのです。現代の言葉に言い換えると、幅広い知識と教養を得て、自分で考える力を養うことが大切なのです。

『現代語訳 学問のすすめ』からの名言
しかし、子を生んで養うのは、人類だけではない。動物だってみなやっている。ただ、人間の親が動物と違うところは、子供に衣食だけでなく、教育も与え、社会的なあり方も教えるという一事にある。
今日の一言 読書をすゝめる
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『人望が集まる人の考え方』

「人望が集まる」ってどんなことだろう???と読み始めると、いきなり

よい人間関係とは、自分が求めているものを手に入れるのと引き換えに、相手が求めているものを与えることだ。

人はみな人生でふたつのものを手に入れたいと思っている。それは成功と幸福である。

と断言されます。

そして、人間関係の基本原理として、「人々は自尊心を傷つけられると感情的になりやすいが、自尊心を大切にしてもらうと理性的に振る舞う。」「自尊心は人間の尊厳にかかわるたいへん重要なものだ。すべての人は自分の自尊心を大切にしてほしいと願い、それを傷つける人を敵とみなす。」

といった原理原則を示されます。こんなに断言されて、人望とは何かを切られると、これ以上読まなくてもいいのかもしれませんが、さらに具体的に人望につながる人間関係作りについても書かれています。ご安心ください。

書かれている内容は、どこかで聞いたことがあることもあるかもしれませんが、クリアでスパッとした言葉はどこかで響くのではないでしょうか。少なくとも私には、大事なことを色々と思い出させてくれました。

『人望が集まる人の考え方』からの名言
人はみな人生でふたつのものを手に入れたいと思っている。それは成功と幸福である。
今日の一言 読むタイミングで印象が異なりそう
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『Eat Sleep Innovate』

「食う寝る遊ぶ」ってバブルなキャッチコピー覚えてますか?生まれてない人、ごめんなさい。

そのぐらい、当たり前にイノベーションを起こすための参考書をInnosightのマネージングパートナーであるスコット・アンソニーが書きました。Innosightは『イノベーションのジレンマ』で有名なクレイトン・クリステンセンが設立したコンサルティング会社です。

イノベーションに関する本の多くは、2つのジャンルに分けられると思っています。1つは、どうやって優れた事業アイデアを見つけ出し、立ち上げるのか?という事業系です。もう一つはどうやったら組織をアップデートしてイノベーティブでいられるのか?という組織変革系です。

組織変革系の本の多くは、既存事業とは異なるアイデアを出し、実行することを啓蒙していることが多いんですが、このEat Sleep Innovateは、啓蒙に留まりません。一度掲げたイノベーションへの取り組みが日常になるまでの、仕組みや仕掛けを具体的な事例とともに紹介しています。

このイノベーションを日常化するための仕掛けを本書ではBEANと呼び、行動科学的なアプローチを含んだ実践的な内容となっています。BEANはBehaivor Enabler(行動イネーブラー), Artifact(象徴物)、Nudge(ナッジ)の頭文字から取られた言葉で、新しい行動様式?を実行しやすく、目立たせ、実行を促すようなものになります。会社を新しい方向に導きたいなら、掛け声やパワーポイントのように揮発するものではなく、具体的な効果を持つ目に見えるものへと落とし込むことが推奨されています。

BEANの出来栄えがとりもなおさずイノベーション組織への変革が成功可否を決めるわけですが、Simplicity, Practicality, Reinforcement, Organizational Consistency, Uniqueness, Trackability という7点のチェックリストも納得です。

BEAN以外にも、社内で新規事業を起こし、組織を変革していくための様々な注意点や事例が掲載されていて面白い本です。特に「これ以上新プロジェクトを実行する余力がない」と嘆く方には「社内プロジェクトの半数は安全に殺すことができる」と後押しし、6つのカギを提示していたり、掛け声だけで終わらないイノベーションプロパガンダを止める方法などはリアルに面白いですね。ちなみに、社内プロジェクトの殺し方は:

  1. 事前に撤退基準を決める
  2. 外部の視点を加える
  3. 学んだ点を再利用できるようドキュメント化する
  4. 成功を祝う
  5. 広く発信する
  6. 閉じる決定を行う
『Eat Sleep Innovate』からの名言
Transformation happens only if technologists and businesspeople change what they do. 技術者とビジネスマンが行動を変えたときにしかトランスフォーメーションは起きない。
今日の一言 組織変革にも科学的手法が今後増える
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2020年のイノベーション本ランキング

今年は、本よりも動画を見ました。NETFLIX面白いですね。Amazon Primeもさすがです。

 

まず3位

『LEAP』は、企業が時代を乗り越えて大きく変革する条件を事例を通して教えてくれます。イノベーションのノウハウというよりも、偉大な企業がイノベーションをどう飼いならすのか?という視点で書かれているのが素晴らしい一冊です。

 

2冊目はこちらです

ハラル氏の3作目は、2作目が凄すぎただけに2位になってしまいます。ハラリ氏のおすすめを一冊挙げるとすると、『ホモデウス』ですが、21Lessonsもぜひ。

 

ベストは『一兆ドルコーチ』ですね。

経営とは何か?サポートするということは何か?成功するために必要なことは何か?を考えさせられました。

ではまた来年!

『なぜ僕らは働くのか』

「わかりやすい」と評判の池上さんがどのように、「仕事」を整理するのか知りたかったです。わかりやす過ぎると、ウソになるし、難しすぎると書く意味がない。一生過ごしてもわかりえない可能性の高いテーマについて、1冊にまとめるなんて、どんなことが書いてあるんだろう…と興味津々でした。

結果、非常に納得感が高いです。まとめ、というよりも提言に近いですかね。とにかくいきなり多くを望むな、でも一つ一つ目の前のことを頑張れば幸せになれる、仕事とはお金を稼ぐだけでも成功するためだけのためでも、生き甲斐のためだけでもないから、一人ひとりがその道を見つけ出さないといけない。と、まとめてしまえばそういうことかもしれませんが。良い結論だと思いました。

もちろん、一冊に書いてあることはそれだけではなく、色々と役立つことや励ましの言葉が書かれています。子供にも勧めておきました。

例えば、どんな仕事でもうまくいく人、というリストはずっと念頭に置いておきたいですね。

  1. 責任を持って仕事をする
  2. 仕事熱心で向上心がある
  3. よく考えて行動する
  4. 人への思いやりがある
  5. 謙虚で感謝を忘れない
  6. うまくいかなくても引きずらない
  7. できないことは仲間に頼る
『なぜ僕らは働くのか』からの名言
私たちには恐れを知らない時期がありました。それは赤ん坊のときです。赤ん坊は最初、歩くことができません。でも、「転ぶのが怖いから」と歩くことをあきらめたり「自分には歩く才能がない」と投げ出したりすることはありません。
今日の一言 ある程度無知だけれど、ある程度能力がある状態が幸せを作るのかもしれない
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『Seeing Around Corners』

大好きなリタ・マグレイスの本を、やっと読みました。といっても、耳で聞いたんです。

通勤も短くなったので、読書の時間を敢えて取る必要があり、ランニング中にAudibleというものどうだろう?っと試してみました。

英語はとても聞きやすく、すごく勉強になります。普段の会話力もアップするのではないでしょうか。しかし目で行う読書と比べると、メモが取りにくいのが難点です。

内容は、「Inflection Point」について経営上の予測をするための指南書です。Inflection Pointとは、「産業転換点」とでも訳したらいいんでしょうか?彼女が『競争優位性の終焉』の著者であることを鑑みれば、「競争優位が崩れる環境変化」が起きることをInflection Pointと呼んでもいいのかもしれません。大きな転換が起きてからだと、対応に追われて優位性を保てなくなるし、早めに動くのはリスクもある、ということで正確に予測したいわけです。

予測をしたいとなると、何を観察するのか?ということですが、それは「先行指標」です。ついつい、売上や利益など結果の数字を追いかけてしまいますが、結果を生み出すために先行して変化するものを捉えそびれてしまうのです。一部その先行指標の表なども紹介されています。Audibleだとこのような表は耳から入っては来ませんが、PDFで図表は提供されています。

遅行指標一致指標先行指標
顧客の離反顧客満足従業員エンゲージメント
従業員離職率従業員エンゲージメント経営効果
新商品の売上顧客利用率顧客の「愛」
『Seeing Around Corners』からの名言
Snow melts from the edges.
今日の一言 Audibleは解約かな
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